サクソフォン四重奏界の話
サクソフォンという楽器は比較的歴史の浅い楽器で,主にジャズを想像する人が多いと思います.
が,クラシックでも大活躍しています.
ラヴェルのボレロなんかではちゃんとサックスのソロもありますよ.
で,そのサクソフォン4本による演奏形態がサクソフォン四重奏.
上からSoprano,Alto,Tenor,Baritoneの各Saxによる演奏になります.
世界初のサクソフォン四重奏曲は,サンジュレー作曲の「四重奏曲」.
サンジュレーといえば通じるこの曲は,平易なメロディーと重厚な和音による全体を通して爽やかな曲で,
中高生のアンサンブルの定番レパートリーとなっています.
で,サクソフォン四重奏を挙げる上で必ず紹介しなきゃいけない曲は3つあります.
1つは,先ほどのサンジュレー.
2つめはデザンクロ作曲の「四重奏曲」
サクソフォンを愛好するものが目指す曲であり,音大生やプロも必ず通ってくる道がこの曲.
あまりにも有名であり,難曲なんですね,またこれが.
アンサンブルに必要なエッセンスが全て含まれており,オーソドックス故の解釈が非常に多岐にわたる曲で,奏者によって演奏が全く違ってきて非常におもしろいです.
大体のプロのカルテットはこの曲をCDで出しており,聞き比べるのもいいです.
主に高校生が大会でチャレンジしたり,また一般でも良く演奏されます.
中学時代,僕が顧問にこの曲をやりたいと言ったら(難易度の面で無理だと判断され)苦笑いされました.
3つ目は,かなり迷いましたがシュミット作曲の「四重奏曲」で.
デザンクロにまして難易度が高く,カルテットの最高峰と言っても過言ではないほどの曲.
その難しさゆえ,演奏団体はがくっと減りますが,CDを入手したら是非聞き込んでみてください.
やばいです.フローラン・シュミット.まじやばいです.
そしてやりたくなります.できっこないのに(笑)
また日本人作曲のものでは,
・正門研一「イマージュ」
・長生淳「四重奏曲」
・三浦真理「ティータイムの画集」
あたりがオススメかな,と.
で,編曲作品なら
・メンデルスゾーン「プレリュードとフーガ」
・スカルラッティ「3つの小品」
・ラヴェル「クープランの墓」
なんかはかなりオススメ.
さらにサクソフォン八重奏なら,
(オリジナル)
・長生淳「八重奏曲」
・吉野由紀子「アイリッシュダンス」
(アレンジ)
・チャイコフスキー「フィレンツェの思い出」
・メンデルスゾーン「弦楽八重奏曲」
がいいです.
ちなみに今挙げた曲でベルノーと長生淳以外は,全部僕が昔いた団体でやった曲だったりします(笑)
アンサンブルコンテストの戦記なんかもそのうち載せたいなと思います.